リフォームは3種類のエリアで考える
リフォーム工事範囲は、住まいの全部、一部、部分を予算と要望に応じて決めるのがコツです。
1.ほぼほぼ全てをなおすフルリフォーム
躯体は活し断熱改修の様子
フルリフォームは、住まいの柱梁、基礎などの主要構造躯体はそのまま再利用し、屋根、外壁、内装、プランなどを新しくするリフォームです。建設後一度もリフォームや修繕が行われていないため各部位の劣化が見られ、工事を行うならこの際、各種仕上げや設備などを新しくする場合。または、住宅の建築条件で建て替えにくい場合などもあります。
フルリフォームは、新築とほぼ工事費が変わらないことを【コスト比較コラム】で書きましたが、リフォームローンとともに考える必要があります。リフォームローンの種類にもよるのですが、リフォームローンを使う場合は借り入れできる最高限度額があり、フルリフォーム工事費をすべてまかなえない場合があります。その場合は、ローンの種類を変更することと、段階的になおしていく方法(ステップリフォーム・リノベーション)があります。
2.選択と集中エリアリフォーム
リフォーム要望を伺うと、水周りなどが古くなったので新しくしたいという要望が最も多いです。その際にどうせ新しくするのであれば、冬温かくしたいという要望が続きます。そのため、お勧めしているのが、リフォーム予算を設定していただき、その範囲で住まいの中のどの部分を断熱区画しその範囲を新しくするエリアリフォームです。今までにリフォームを行ってきた経緯もあり、すべてなおさなくてよい場合や工事予算が決まっている場合などがあります。
店舗を住宅へリフォームしたTTハウスでは、広い店舗はまだ築十数年で新しく傷みも少ないため、解体するよりは活用しようとなり、家族が主に生活できる範囲をエリア設定し断熱区画・エリアリフォームしています。
古民家エコ&バリアフリーリフォームしたOKハウスでは、過去にリフォームをしてきた経緯もあり、主生活空間を断熱区画し古く劣化している部分(過去に増築した部分)を減築しています。
エリアリフォームは、要望、予算、既存建物の状態を考えながら、どの範囲でどのように区切るとより良いかを考えながらプランニングを行うため、リフォーム・リノベーションデザイン能力が最も求められると感じています。既存建物という条件をどう読み解くか?環デザイン舎では、エリアリフォームに携わる機会に恵まれたことで、ノウハウが蓄積されてきており、最もお勧めしたいと考えているリフォームです。
3.劣化修繕ポイントリフォーム
住まいは、年月と共に各部位の劣化が始まります。いい意味で味わいになる部分と劣化する部分があります。近年の設計手法では、長期優良住宅などの仕様があり、劣化しにくいつくり方が普及してきていますが、古い住宅では劣化しやすい状態な場合が多くあります。また、設備関係は10年くらいたつと交換する機会が増えてきます。住まい手の方も高齢化が進みバリアフリーの要望も増えてきます。
ポイントリフォームで求められるのは、水まわりの設備機器交換や床がふかふかするのをなおす、屋根やバルコニーの防水・雨漏りをなおす、内窓をつける、仕上げを新しくするなどがあります。あと、家が傾いているのでなおしたい、という要望も多くありますが地盤については、いろいろな注意点な度あるので、あらためてコラムで解説します。
住まいの部位のみリフォームする場合でも、劣化がしにくいつくりにすることや狭い範囲でもよいのでエリアリフォームを行い使いやすさ、バリアフリー化していくことがおすすめです。
4.工事費の目安
フル、エリア、ポイントリフォームの工事費の目安を以下にお伝えします。
パターン | フル | エリア | ポイント | |
工事費目安 | 2,000万円以上 | 500~3,000万円 | 数万円~500万円 | |
規模 | 大 | 中 | 小 | |
概要 | ・ほぼ新築とかわらない仕上がりです。 ・家全体を新たに考える内容になります。 |
・新しくしたい範囲、部屋、設備に応じて工事費決まります。 ・広い家の場合は、エリアを区切っても高額になる場合があります。 |
・雨漏り修理、キッチンの交換、床を畳からフローリングへ交換など。 ・住まいの部位に応じた内容になります。 |
あくまでも目安です。今の住まいの広さや状態、要望、予算に応じて考えていくことが必要になります。ご要望を伺い、住まいの状態を調査し、打合せを行いながら、最も良い方法を探していくプロセスがおすすめです。
住まいの無料相談お問い合わせフォーム
お気軽にお問合せくださいませ