環デザイン舎

松柏館客室リノベ 建築プロセス

02.客室から学ぶ

 

 
松柏館さんの客室「貴賓室」。 【詳しくは旅館HPをご覧ください】

つくりこまれた和室。
先代のご主人が建築に興味があり、こだわりをもって大工さんと各部屋をつくったそうです。
 

 

天井のつくりにこだわりを感じるお部屋もあります。
 

 
テレビやエアコンなどの隠し方にもこだわりを感じます。
 

 
障子の引き込みも考えたデザイン。
お部屋のタイプによって広さや設備、つくりなどは異なります。それぞれのタイプにこだわりを感じるつくり。お客さんの好みによって選べるのも魅力。お客さまの中には、どうしてもこの部屋がいいと、毎回同じ部屋を指定して予約を入れる方もいるそうです。
今回リノベする部屋も、和なデザインを継承しつつ、新たな好みに対応できるようにしたくなりました。
 

 
部屋風呂も見学していて驚いたのは、温泉の成分で蛇口金属が黒く変色しやすいとのこと。そのため、樹脂の蛇口を利用しているお部屋もありました。設備屋さんなどに確認すると、もう樹脂系の水栓器具は販売されていないので、蛇口が劣化した際は交換するしかないとのこと。
 
当初、部屋風呂のリニューアルには高齢者対応のユニットバスを考えていました。メーカーへ温泉の成分表を送ると、樹脂部分や接合金物などに不具合が出やすいので保障できないとのこと。それでも交換を前提に利用する場合も多いとか。
 

 
客室前の紅葉。お部屋の窓からどう見えるか?今回、部屋風呂を窓側へ移動することになったので、目隠しも必要になりますが、紅葉の雰囲気が感じられる浴室になりそうです。
 

 
既存建物の内部だけでなく天井裏ももれなく調査。リノベーション設計には必須作業です。ユニットバスの天井点検口から客室廊下天井裏などを確認。古いエアコンや配管、RC梁などの状態や寸法などを確認しました。
 

現況調査を踏まえ、リノベーション設計へ。