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暑さをさえぎる「ひよけ・すだれ」のつけ方デザイン

 

暑さをやわらげる「ひよけ・すだれ」はどのような方法・つくり方があるのか事例などを紹介します。

 

5月に入りだんだんあたたかく、そしてじわじわと暑さが感じられる季節になってきました。
この季節になると、環デザイン舎ブログの「すだれ」「日よけ」関連のブログ記事の検索率が急に高まります。アクセス数を見て季節感も感じています。日差しが強く暑くなってくると、とりあえず「すだれ」をどうつけようかということになり、検索される方も多いんだと思います。

 

夏の暑さを遮るには、太陽の熱を家の中に入れず、窓の外で遮ることが最も効果的です!
もちろん、住まいの断熱性能を高め外部からの熱の侵入を防ぎ、室内の涼しさを効果的に維持しやすくすることが基本的な性能として必要です。断熱を良くするとエアコンの稼働が少なくても涼しさが維持しやすく、省エネ、電気代もお得ということです。
もっと、エアコン代を節約するためには、太陽の熱が室内へ入ってくるのを外部で防ぐことが出いれば、より効果的です。
 
詳しくは、バイオクライマティック本に各種事例なども含め原稿書いたものがありますので、よろしければご覧下さい。

 

個人的にも、仕事場で、緑のカーテン、すだれ、メッシュシートなどいろいろ試してきました。
こちらをご覧下さい。
しかし、問題は「手間」なんです。仕事でバタバタしているとついつい後回しになり、いつしか秋になっていたりという今日この頃です。
環境の影響を理解しコントロールすることが、自然を活かして快適な住み心地につながります。しかし、人間のすることなので、バタバタしていると、後回しになる部分もあります。そこで、最近は、住まいの設計の中に環境をコントロールしやすい要素を建築の一部として組み込める方がいいなと思い、各物件に応じてデザインしています。

 

この季節だからこそ意識する、暑さ遮る方法としての「ひよけ」のデザインを紹介します。

 

1.ドイツのひよけ

住まいの環境性能の魅力を発見し学び出したころ、ドイツには先進的な事例があることを知り、旅行かてがて見学に行きました。
ドイツといえどもすべてが環境配慮建物ということはありませんが、割合は多く感じます。日よけの建材パーツや各種デザインが目につきます。
こちらのマンションでは、バルコニーの外に格子雨戸のような日よけがデザインされていました。建物の外部に鉄骨フレームがあり、そこへバルコニーや庇、日よけ格子などが設置されるつくり方が参考になります。
 
2.オーストラリアのひよけ
以前、オーストラリアへ行きました。その際、エコ団地なるものがあったので見学したときの写真がこちら。

すだれ使っていたりします。緑のカーテン的な部分もああります。
オーストラリアは、行ってみてわかるのが、日差しが強い!ということ。
それゆえに、建物のつくりの特徴として庇や下屋がついている建物をよく目にしました。

 

3.すだれフック:あぐりエコステーション

震災後、住まいの省エネ方法をPRできるよう、農民連事務所へ様々な省エネの仕組をデザインした、あぐりエコステーションという物件があります。そこでは、南側の窓の上に、すだれを設置しやすいよう、すだれフックを設置しています。

開口部の断面です。サッシの外側へ、暖簾を設置するようにすだれを設置できるようなステンレスフックを常設です。
すだれを取り除いた状態がこちらです。既製品のすだれフックをサッシ枠へ取り付けるものがホームセンターなどで購入できるのですが、すだれの重さや強風で引っ張られ曲がりやすいため、頑丈なものがあるといいなと考え設置しています。

 
4.ひよけ雨戸:歩花ハウス



既存サッシの上から設置できる雨戸があります。LIXILの雨戸一筋。雨戸なんですがルーバー上になっており、日よけ対策にもなります。
エコリフォームを行った、歩花ハウスへ設置した様子です。手前側は断熱雨戸で奥の2ヶ所に日よけ雨戸を設置しています。
室内から外を見た様子。ルーバーの角度は調整できます。外出時や夜間に、雨戸へ鍵をして通風を得るためにも使えます。
 
その他に、外付け日よけブラインドも設置しています。こちらは、ルーバーが大きいので外壁より外枠が出る形になります。室内から手動でルーバーの開閉調整できます。製品によっては、電動で調整も可能です。
ルーバーの開閉具合です。ルーバーがしっかりしているので、台風などにも問題ない製品です。西日が当たる窓や南側の開口部を大きくとる場合などに設置すると、太陽の光と熱をコントロールするのに、良い建材です。あとは、予算によります。
 
5.下屋・庇ひよけ:MAハウス
窓周りへ設置する、日よけのデザイン事例を紹介してきましたが、その他に、もっと根本的に調整できるのは、屋根庇であり、1階の窓には下屋があります。日本の建物は庇が深い。もちろん、雨による建物の劣化を防ぐための機能が大きいのですが、日よけの機能もあります。
庇・下屋が深く、季節の太陽高度などを考えていれば、室内への太陽熱や光をさえぎることができ、住まい手がなんら日よけのための作業をしなくてもすみます。建物の骨格自体でコントロールするデザインです。
現在、設計中のMAハウスの3Dモデルに太陽が真南にある状態の影の様子です。下屋の影が1階の窓を覆っています。下屋は、下で物が干せたり、雨宿りできたり、日本の住まいの風景づくりにもつながります。実は、費用対効果が高いデザインかもしれません。

●日よけ・すだれデザインのまとめ

・環境の状況により設置の検討を行うこと。
・雨戸を防犯の上でも設置するなら、通風・調光タイプを。
・特に西日対策には、ルーバーを。
・日常的にすだれ利用の過程には、頑丈なフックを。
・建物の長寿命化を考え、庇は出して、もっと出せれば、日よけとして。

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